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ギムレット

第20章 スプリッツァー  真実(シュウ編)


ピチャピチャと音を立てながら、薄汚い女が俺の性器を舐めまわした。

不思議だった。さっきまではこの薄汚い女の乳房を見ただけで身体が反応したのに……


今は何も感じずに、勃起するどころか何の反応もなく、俺の性器はしごかれても舐められても、女の手の支えが無ければユラユラと左右に倒れるだけだった。


女はイライラしながら、やがて俺の上にまたがり、無理やり俺の性器を握って自分の膣の中に入れようとした。


俺はもう女の顔も見ず、恐怖心もなくなりかけて、ただ仰向けになっている身体のまま天井を眺めていた。


こんな風に天井をマジマジと見たことはなかった。あんなところにシミがあったんだな。とか、こんな模様だったんだな。と、そんなことを考えていた。


たぶん、この時の俺は、この現実を受け入れたくないと思う心が、別の次元に意識を飛ばし始めていたのかもしれない。



その時、突然玄関のドアが開き、見慣れないスーツ姿の男たちが入ってきた。

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