
ギムレット
第20章 スプリッツァー 真実(シュウ編)
長い廊下を歩き続けると巨人男が庭の景色を眺めるように立っていた。
優しいそうな男が立ち止まり、俺に巨人男の方に行くように促した。
俺はゆっくりと巨人男の傍に歩み寄った。
「お風呂ありがとうございました。それと、さっきは……じいちゃんと僕を助けてくれてありがとうございました」と礼を言った。
巨人男は俺に目もくれず「ガキ、この庭をどう見る?」そう俺に問うた。
巨人男に言われ、俺はもう一度、巨人男と同じ位置から庭を眺めた。
じいちゃんが庭師だったこともあり、俺の家には庭木の図鑑や植物図鑑などがたくさんあった。小さな雑草から何千年と生き抜く巨木まで、俺はその図鑑を見るのが好きだった。
「美しく素晴らしい庭です。そして……この木々には強さが表れています」
俺の言葉を聞くと、初めて巨人男は見下ろすように俺の方へ顔を向けて言った。
「この庭は、お前のじいさんがわしのために作った庭だ」
