ギムレット
第5章 モヒート 心の渇きをいやして
ベッドから這い出て冷蔵庫から冷たい500mlのミネラルウォーターのペットボトルを取り出すと、一度自分の口に含み、そのまま私にキスをして口に含んだミネラルウォーターを私に流し込んだ。
激しいセックスで汗をかいた後の冷たい水分が喉を潤し、火照った体全体に一気に広がる。
自分も水分を体に流し込んだ後、またベッドに横たわり、私の目を見つめて言った。
「嘘みたい」
「何が?」
「メグが今、ここにいること」
嬉しそうな素の顔をしてそう言うと、裸のままの私の乳房をなぞるようにそっと手で触れる。
私は乳房をそっとなぞっているタクの手に触れて
「でも、あなたは、私以外の誰かも……抱くのよね」
私の言葉に、タクの高揚感に満ちていた顔が、一瞬で沈滞して真顔になっていくのが分かる。
しばらく無言のまま私の顔を見ていたが、タクは抑揚のない声で言った。
「 抱くよ 」