ギムレット
第6章 ベルモント やさしい慰め
「そういえばっ!!! メグにお土産買ってきた」
シュウは海外に行くと、必ず珍しいお土産をいつも買ってきてくれる。
嬉しい。といってハイッと手を差し出すと、シュウは悪戯っ子ぽく笑った。
「でも……わざと家に忘れてきた」
そう言って、私の差し出した手を、軽く指で撫でて握りしめた。
「また二人っきりで会う……口実」
キザなおっさんみたいなセリフ。と笑ったが、シュウに軽く握られた手に、私の緊張が伝わる。
握った手にシュウはそっと指を絡める。
繋がれた二人の手が少し汗ばんで温かくなっていく。
「嬉しいよ。メグの手から、俺に対する強い警戒心が伝わってくる」
ほろ酔い加減で見つめる眼差しとシュウの言葉が、私の心を惹きつける。
「それって、俺を男として意識した。ってことだよね」
シュウは指を絡めた手を、強くグッと握った。