ギムレット
第10章 スティンガー 危険な香り
「週末に、ブルーラグーンに、俺が行く」
「とりあえず、俺の紹介だから。って無理言ってでも話は付けておくよ。お前……アレ持ってるよな。忘れんなよ」
「ああ、悪いなハル、無理言って……今度、奢るからさっ!」
ハルは他にも色々と突っ込んで聞きたそうだったが、シュウの声色を察知して、良い店連れてけよ。そう言って電話を切った。
電話を切ったシュウは、スマートフォンをテーブルに放り投げ、ソファーの背もたれに深くもたれかかり天井を見上げて呟いた。
「俺って……嫌な男になりそうだな」