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ギムレット

第10章 スティンガー  危険な香り

カウンターでいいよ。そう若いスタッフに声をかけて、カウンター席に腰かけた。


「いらっしゃいませ」


綺麗な歯並びの白い歯を見せ、丁寧な姿勢で魅惑的に微笑みタクは挨拶をした。

その容姿に惹きつけられ、シュウは動揺を隠せなかった。



軽く挨拶を兼ねた会話をした後に「何にいたしましょう?」と聞かれ、ハイボールを注文した。


ウイスキーのハイボールは、炭酸水で割るので、バースプーンの扱いが一目瞭然にわかる。相手のテクニックやお店の味を見分けるのにも最適だ。


「氷はどうしますか?」

「君、若いのによくわかってるね。氷は入れてくれ」


かしこまりました。そういうと手際よくハイボールを作り、差しだした。


一口飲んでみると、炭酸ガスの旨みを最大限に生かされているのがわかる。


「ウィスキーは、フェイマスグラウスか」

「はい。少しフレーバーなものをと思いました」

「うん、いい味だよ」


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