テキストサイズ

ギムレット

第13章 アフィニティ  触れ合いたい

好きだよ。


そう言われても、その全てを信じることも、安心できることも、何もないのに……


あなたのその魅惑的な表情が、甘えた子供のような仕草が、また……私を振り出しに戻させる。



自然と涙が零れ落ちた。



私は、あの人のいなくなった時間を、誰かで埋めたいのかもしれない。

あの人に触れられなくなったこの体を、誰かに抱きしめてもらいたいのかもしれない。

一人の時間を……あの空虚な時間を過ごしたくなくて、誰かを求めるのかもしれない。



きっと…………シュウとだったら、あの人と同じ時間を……その願いが叶えられるかもしれないと思っているのに……



それでも……この気持ちが、この気持ちを殺すことができない。


タクを目の当たりにすると、触れられていたい。触れていたい……と思ってしまう。



「また……いやな思いさせた?」私の涙を見てあなたが問う。


私は首を振り「タク……もっと、もっと、触れ合いたい」



あなたは優しく微笑んで頷くと、キスしていい?そう言って、あなたの柔らかい唇が私の唇を包む。



あなたのイヤらしいほど私を感じさせる舌を何度も絡ませて……

ストーリーメニュー

TOPTOPへ