無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「尚樹さん、失礼しますっ！　ミランダの萌々（もも）さんが見えました」


保がドアの向こうで大声を上げてからドアを開けた。



「萌々ちゃん、ご苦労様。じゃあ、こっちに来て、早速チェックしようか」


先ほどまでの優しい笑みを浮かべた尚樹に戻り、女を診察台に手招きした。



女が訪ねてきてくれて助かった。とばかりの安堵の表情を浮かべながら「失礼しますっ！」と声をかけて、八代と保は部屋を出た。



部屋を出た八代と保に流れていた冷たい汗が温かくなっていく。


「今、マジでやられるかと思ったぜ」


尚樹よりもはるかにガタイのいい八代の手のひらが汗ばみ震えていた。


「今日は尚樹さん、特に機嫌が悪そうだから……八代さん、今日は余計なことは言わずに返事だけしてた方がいいっすね」


「そうだな。くわばらくわばら……」