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「はぁ…人間達の陣地に入ってきちゃったし…」


いつの間にか分けられた人間とヴァンパイアの住む境界線。今までヴァンパイアの陣地でしか生きてこなかった彼女にはもうここが一体どこなのか全く持ってわかるはずが無かった。


元来ヴァンパイアは大人とみなされるまで1人で出歩くことは禁止されている。しかし何故彼女が今ここで1人彷徨っているかといえばそれはたった1時間前の事。



簡単にいえば今日大人とみなされた自身の兄に馬鹿にされたからである。



元々子供のような性格の兄が大人にみなされたことで更に調子ずき、些細な口喧嘩がヒートアップしてしまった。


「1人で出歩く事も出来ないくせに調子乗んな！」


という兄の言葉に


「はぁ!?そんくらいあたしにだって出来るわよ!!!」


とつい口走ってそのまま家を飛び出してしまって今に至るのだ。