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しょっぱくて甘い~ベリーショコラマカロン~

第1章 しょっぱくて甘い~ベリーショコラマカロン~

「うん、みんな、ありがとう! わたし……!」

 さっきの店に戻るために走り出した時だった。

「……間に合わなくて、ごめんな!」

「あら、私達がいない間に戦い終わってるなんて、やるじゃない? フフフ、面白いわ」

「いちかちゃん、どうしたんだい?」

 あきらさんがわたしの目の腫れに気づいてくれて、心配そうに顔を覗きこんでくれる。

「だって……ふた……」

「ハッピーバースデー! いちか」
「ハッピーバースデー! いちかちゃん」

「ごめんなさいです。わたしたちじゃプレゼントいい案浮かばないからって、あきらさんとゆかりさんにプレゼント選び頼んでたんです!」

「それがいちかを傷つけることになるなんて。わりぃ……。あたしは、たまたまバンドの練習が被ってて、行けなくてさ」

 込み上げる涙。今度は嬉しくて。こんなにもキラパティのみんなに愛されている。どうして、そんな大切なことを忘れてしまっていたんだろう。

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