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遠くの恋人より近くの同僚

第7章 苦し紛れのプロポーズ

「いいよ、それで。一華がそうしたいなら」

『私発信みたいな言い方しないでよ』

「それは悪かった。俺も一華と同意見。
一年間、離れよう」

『……いいよ』


こんな精神状態じゃ向き合えない。


だからと言って一華を手放すわけじゃない。


「俺が東京に戻ったら……結婚しよう」

『ぇッ……ぅッ……ぅんッ』

「だからさ、この一年間を乗り越えような」

『凌馬……ありがと……嬉しい』


“好き”を言うのに、やっとだった俺が
結婚を口にしたことに自分でも驚いた。


一華を失いたくないという表れだろう。

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