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遠くの恋人より近くの同僚

第3章 『好き』と言えたのに……

そのおかげで俺のスーツに
汁が飛び散ったわけだが
本田は気付いていない。


それどころか……


「チャーシューいただき」


本来の好物であるチャーシューを
かっさられた。


「あのさ」


文句のひとつでも言ってやろうとするが……


「んまーッ。とっっってもジューシーで
柔らかーいッ。五十嵐くんも遠慮しないで
煮玉子食べちゃってッ」


旨そうにチャーシューを頬張る
無邪気な本田の姿を見たら
何も言えなくなってしまった。

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