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遠くの恋人より近くの同僚

第31章 伝えられない想い

「いよいよ明日ね」

「はい」


小料理屋で二人だけの送別会。


「どうしたの?元気ないわね」


五十嵐くんは浮かない表情。


「急に怖くなってしまって。
知らない土地で一人で暮らすことに。
未央と一緒に居た反動だと思いますけど」


本田さんは、良くも悪くも騒がしい。


「でも、本田さんを連れていかないと
言ったのは…」

「俺ですよ。いや…未央をバンコクに
連れていかないことを悔やんでるわけじゃ
ないです。漠然と寂しいだけ」

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