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遠くの恋人より近くの同僚

第36章 悲しき裏切り

「橋本夫人って同期会に遅刻したよね?
顔色もめちゃくちゃ悪かったし」

「よく見てるね」

「自惚れないでよ。憎き恋敵だったから
自然と目が行っただけ」

「それと、橋本夫人って呼ぶのやめて」


二ヶ月前までなら、それも良かったけど。


「だって橋本夫人…成瀬さんが先に…
じゃ、私も平松夫人はやめて。
くすぐったいから」

「本田でいい?影で呼び捨てにしてたから」


私が“橋本夫人”と呼ばれたくないのは
本田のように可愛い理由じゃない。

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