
彼の愛は重い鎖のようで、
第1章 恋人以上恋人未満
いくら喧嘩をしても私たちはお互いがお互いを必要としている。
そこに恋愛感情はなくとも。
だからその場の雰囲気に流されただけの行為で一輝と仲違いをしたくない。
「大丈夫に決まってんだろ、そんなもん。」
目を合わせることが出来なくなり視線を外すと、やけに明るく自信たっぷりな声が頭上から投げられた。
「俺だってお前と変な感じになるの嫌だし。」
「……でも、」
「何年の付き合いだと思ってんだバカ。ただ一度だけヤッたってだけで俺たちの仲が崩れるかよ。」
