テキストサイズ

彼の愛は重い鎖のようで、

第1章 恋人以上恋人未満


一輝は片方の口端を軽く上げながら、私の目の前まで近づいてくる。


「……や、近い。」

「なに?ドキドキする?」


心臓が大きく波を打った気がした。

顔が熱を持つ。


「……乃亜。」


一輝が私のほほに手を添え、目を閉じた。

唇と唇があと少しで触れ合う瞬間ーー、


「あっははははは……っ!!あひゃひゃひゃ!!」


大声で、彼の顔面につばを吐きつけるほどの勢いで豪快に笑ってしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ