
彼の愛は重い鎖のようで、
第2章 友達の定義
最近出会いがないと毒づいていた希帆にとっては最高の誘惑。
こう見えてこの子は恋愛脳だから、この手の話に目がないのだ。
しかし、だからって親友を売るか!?
これから先の一輝の怒りの矛先が私に向かうと思うと怖くてたまらない。
「なに、じゃないわよ!なにバラしてんのよ!」
「でも私は一輝くんに相談した方がいいって言ったよ?」
「そうだけど……そうだけど!」
悪気がない希帆と口論ーーというか、私が彼女に怒鳴りつけている状況にも、私の背後でため息を落とす彼に意識が持っていかれてしまう。
