妖魔の憂鬱
第5章 朝田 順子(あさだ じゅんこ)
順子はグルリと衝立を回り込み、その向こうに居た社を目の当たりした。社は影ほど華奢ではなかった。月明かりに照らし出されたその姿は、聖者の様に穏やかに順子を見詰めて…微笑んで居た。
ベッドの側面に腰掛けた社が差し出した手に、順子はいそいそと近付いて…自ら触れた。順子をここまで運んだ魅惑の香りの正体は社から香っていた。触れたその手の感覚が、なぜか先程の壱星と重なって…順子は一気に体温が上がっていくのをおぼえた。
「私が怖いですか?」
社の質問に順子は首を横に降った。
「いいぇ…ちっとも」
そんな事よりも順子は、彼の指でも何でも良いから口に含みたいと唇に力を込めた。キスしたい。身体の奥底から沸き上がる様な欲情で、順子はクラクラしていた。
順子の答えに頷いた社は、ベッド脇のチェストに置かれた水差しから、グラスに水を灌いだ。社はグラスを順子に差し出すと、そのまま順子の口に充てがい傾けた。
順子はグビグビと喉を鳴らして流し込まれる水を飲み、順子が飲むスピードを気にせずに社はグラスを傾け続けた。順子の口から溢れた水で、着ていた衣服が透けていく。グラスが空に成る頃には、順子の下着がうっすらと浮き上がった。
社が爪の先で順子の下着の輪郭をなぞると、順子はピクンと身体を奮わせた。濡れてしまった順子の服の胸元のボタンを、社は丁寧に外した。
湿った胸に顔を埋めた社の唇が触れると…「愛しい」と告白されているようなトキメキに順子は襲われ、疼く体を持て余した。順子は社の頭を抱き締め「早く」と口には出さずに社を急かした。
ベッドの側面に腰掛けた社が差し出した手に、順子はいそいそと近付いて…自ら触れた。順子をここまで運んだ魅惑の香りの正体は社から香っていた。触れたその手の感覚が、なぜか先程の壱星と重なって…順子は一気に体温が上がっていくのをおぼえた。
「私が怖いですか?」
社の質問に順子は首を横に降った。
「いいぇ…ちっとも」
そんな事よりも順子は、彼の指でも何でも良いから口に含みたいと唇に力を込めた。キスしたい。身体の奥底から沸き上がる様な欲情で、順子はクラクラしていた。
順子の答えに頷いた社は、ベッド脇のチェストに置かれた水差しから、グラスに水を灌いだ。社はグラスを順子に差し出すと、そのまま順子の口に充てがい傾けた。
順子はグビグビと喉を鳴らして流し込まれる水を飲み、順子が飲むスピードを気にせずに社はグラスを傾け続けた。順子の口から溢れた水で、着ていた衣服が透けていく。グラスが空に成る頃には、順子の下着がうっすらと浮き上がった。
社が爪の先で順子の下着の輪郭をなぞると、順子はピクンと身体を奮わせた。濡れてしまった順子の服の胸元のボタンを、社は丁寧に外した。
湿った胸に顔を埋めた社の唇が触れると…「愛しい」と告白されているようなトキメキに順子は襲われ、疼く体を持て余した。順子は社の頭を抱き締め「早く」と口には出さずに社を急かした。