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雨の贈り物

第1章 雨の日

「如月!」

純と別れたあと、学内のショップで本を見ていると唐突に名前を呼ばれた。
振り返るとそこには俺の中学時代の友人で純の高校からの友人の北条柊一がいた。

「柊一、休み時間か?」

俺の問いを余所に柊一は聞いてきた。

「なあ、純、知らない?」

「純?さっきまで一緒にいたけど…何か用?」

そういう柊一は手に紙袋を下げていた。
帰り道なら分かるが、柊一はまだ俺と同じ、犯罪学の講義があったハズだ。

「あれ?如月は知らない?」

純に関することだろうか、全く思い当たらない。

「今日、純の誕生日。」

サラリと答えた柊一と対照的に俺は驚いて目をパチクリさせた。

「え?でも、さっき純にあった時、そんなこと一言も…」

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