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テントの中でなんとやら

第2章 謎の生物

 俺は女に聞いた。

「滝繁から、ラブレターもらったんだろ? どうだい付き合う気はあるの?」

 女は、恥ずかしそうに、顔を赤紫にする。

 やがて頬の表面がひび割れ、なにやらどす黒い汁が流れ出る。

 俺はいったい、なにと話し合ってるのだろう?

 なんとなく、薄々は気付いてきた。

 こいつ、死んでるなと。

 目を見ても、黒目がヤバい。白い線が入っているのがおかしいと、よく見たら、うごめいていた。




 眼球に寄生虫を飼う女の、どこを惚れたんだあいつはっ!!

 本当に、これを渡したのは滝繁なのか?

「あんた、滝繁をどう思ってんの?」と、まず聞いてみた。

 女は、左手の親指を立て、自分の首に向けた。そしてそのまま横一文字に指を引いた。


 それ、俺達レスラーがやる、首をかっ切る挑発ポーズだ。

 あいつ人以外にも嫌われてるってことじゃないか。

 後は犬のメスと付き合うしかねぇな。

 人のこと言えねえな。数分前まで、怨霊と付き合ってたんだからな。

「なぁ、滝繁に会って、これを渡してくれ」

 俺もとりあえず、返事を書いてみた。

 これを、滝繁に渡すようにと、お願いした。

『ま゜』

 行ってくれるようだ。

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