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テントの中でなんとやら

第2章 謎の生物

 目の前のこいつ、ゾンビかよ!

 いや、ゾンビて実在したの?

 いや、たしかに、人間が演じるお化け屋敷のゾンビにくらべたらリアリティあるけど、本物かい!!

 てか、あいつもゾンビと付き合おうとするなよ……人間を相手に出来んのか。

 いや、わかってる。人のことは言えないが、ここにいるの腐臭がえげつないぞ。

 貞子はまだ、俺が与えたナフタリンで匂いはなんとかなってたが……。

 だが、この時の俺は、なにかがマヒしていたのか、本物のゾンビの存在を当たり前に見てしまっていた。

 かなりとんでもないことが、実際に起こっている。

 滝繁の大文字焼きも、あってはならないことだが、なぜかあいつだと、普通に思えてしまう。あいつと付き合ってからか、異常事態を平然と構えてみれるようになったのは……。

 目の前にいるこの女がゾンビだとわかった以上、あまり絡みたくはない。

「ちゃんと受け取った。ありがとう。あの、もう、こちらからは用はないので……滝繁のところに行ってください」

 ゾンビは一言『ま゜』とだけ言って、近くにとめてあったセグウェイで山を降りて……て、セグウェイ!?

 あのゾンビ、セグウェイ乗るの!?

 あれ、そんなスピードでる?

 よく、ここまで乗ってこれたな……。

 あのゾンビ、たしかにスクープだが、写真にハッキリ撮りすぎても、間違いなく偽物と疑われるに違いない。

 教えてくれ、俺は、なんの世界に迷いこんだのか……。

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