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ドッキン ドッキン…

心臓ばかり騒いでいて、肝心のあたしは目をつむったまま動けない。



「大丈夫かい？
ほら、目を開けてごらん」


「ぁ……っ」



ポン と肩にのせられた手に、ビックリして震えた。


うん、もうあたし、ヴァーチャルの世界に来てる！

そして今そこには、ヴァーチャルの瑛理さんがいる！




「お誘い、ありがとう。
もしや君は、まだ始めたばかりなのかい？」


「は……はい」



縮こまってるあたしにすごく優しく声をかけてくれるのが安心しちゃうみたいで、ゆっくり目を開けて彼を見る事ができた。


それは、プロフィールで見た通りの顔と高い身長。

だけど熟年って言うだけあって、その落ちついた雰囲気は見た目とは違って確かに感じ取れたのだ。