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高校生だってムラムラする。

第2章 キス

 誰が来るかも分からないような、夏休みの教室。冷房は効かせてあるはずなのに、密着しているせいかとても暑い。そんな中で、私たちは溶け合うようなキスを飽きることなく繰り返していた。
 顔の傾きが大きくなった。さらに深くまで、彼の舌が潜り込んでくる。上顎をそろりと擦られたとき、思わず体をビクつかせてしまった。

「……っ」

 ただひたすらに、気持ちがよかった。出し入れされる柔らかい舌の感覚も、濡れた唇が擦れ合うのも、私を抱き寄せるがっしりとした腕の温もりさえ心地いい。まるで、口でセックスしているみたいだ、と思った。実際の経験などないのに。

 じわりと下着が濡れているのが分かる。ひくひくと刺激を求めて疼いてきた。今すぐにめちゃくちゃにして、思い切り気持ちよくなりたい。そんないやらしい願望が私の中に渦巻き、支配してゆく。
 段々、体に力が入らなくなってきた。立っていることすら難しく思える。それなのに、キスは止まらない。お互いを食べ合うような激しい口付けで、頭の中には快感が溢れてしまう。

 やがて、動きがゆっくりになり始めた。名残惜しむかのように粘膜同士を滑らせ、舌の先を押し付け合う。ちゅ、と微かに音を立てて口が離れた。唇はじんじんと熱を持っている。
 息が上がって、脚からふ、と力が抜けた。倒れ込んだ私の腰を、彼はタイミングよく抱きとめて支える。

「……大丈夫か?」
「……ん」

 それしか言えなかった。なにせ私は別のことに夢中だったのだ。抱きしめられているせいでくっついている下腹部に、それが触れているのを感じてしまった。――硬くて、焼けるように熱く膨らんでいるそれが。しかし、それに気付かない振りをしながら、私は彼の耳元で囁く。

「もっと」

 今度のキスは少々乱暴なものだった。噛みつくように唇を吸われ、口内の奥の奥まで暴かれる。荒い彼の息が口の端に当たる。唾液が溢れ出し、唇を伝って外に漏れ出す感覚がした。
 それにも構うことなく舌を絡めさせ、口と口の間で擦り合わせる。彼の唇に差し込めば、抵抗することなく柔らかい粘膜が受け入れた。

「んん……」

 彼は詰めていた息を吐き、くぐもった声を漏らした。腰に回った腕に力が入り、くるりと舌を滑らせ、またもや私の口に押し込まれる。終わらない快感の連鎖に、理性の箍が外れてゆくのを感じた。


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