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あたしの好きな人

第7章 セフレの固執




あれから哲とは、ほぼ毎日エッチをしているような気がする。

哲を不安にさせちゃったからと、しょうがなく思い、相変わらず流されていたんだけど。

この日は確かにおかしいと感じてしまった。



ここ最近仕事がハードだったから、倉庫の整理をしていた。

残業も続いてたし、休日出勤も増えてたし、うちの会社ってブラックなんじゃないのだろうかと、

思いながら、倉庫の散らかりようを見て、ため息をついた。


気付いたからにはしょうがない、面倒だけど、片付けを一人でしていた。

そこに哲が手伝いに来てくれた。

「一人で大丈夫だよ、哲は哲の仕事があるでしょう?」

午後からは担当のお客様と、ドレスを決めるスケジュールになっている筈だ。

「人気ブランドのドレスもほとんど揃えて、準備してあるから大丈夫だよ?」

「そうなの?じゃあ、お願いしようかな?」

二人で黙々と作業を続けた。

「……そういえば、ここの飲食店は経営者が変わって、従業員も何人か変わるらしいね?」

「……そうなの?披露宴に出す料理の質が上がれば、それに越したことはないけどね?」

「オーナーがすごいイケメンだったって、女性社員が騒いでたよ?」

哲の言葉に一瞬、手が止まった。

女性社員が騒いでたってことは……オーナーを実際に見たってこと?

……岳人が来た?


「……そうなんだ、騒いでたって、今日のこと……?」

「やだなぁ、咲良はイケメンに興味があるの?……俺がいるからいいだろ?」

哲が急に作業を中断して、あたしの体をぎゅっと抱きしめた。

「そんなこと……っ、ただちょっと聞いてみただけで…っ!」

資料を抱えていた腕が急に掴まれて、唇が押し付けるように重なる。

驚いて資料を落としてしまった。

……今まで仕事中にこんなこと、したこともなかったのに……っ、

戸惑うあたしの舌が絡められて、哲の熱い吐息とやらしく交ざり合う。

「……んっ……んんっ!…だめ…っ!」

ブラウスのボタンがするすると外されて、絡められた舌が首筋を這い、耳朶を舐められた。

くちゅ、くちゃくちゅ

ダイレクトに耳を舐める音が響いて、溺れるような感触にぞくぞくして甘い声が上がる。

慌てて口を押さえて、哲を軽く睨んだ。


「……仕事中よ、哲だってこの後お客様が……」

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