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あたしの好きな人

第5章 新しい生活




哲side


目を閉じて眠りにつく、咲良の寝顔に軽くキスをする。

神谷 岳人に咲良が会う。


洋子さんという幼馴染みに、神谷岳人の関係をさっき電話で聞いた。

二人は学生時代からの友人としての付き合いをずっと続けて、一見ただの飲み友達。

咲良は変に鈍感だから、神谷岳人の下心に気付きもせずに、

新しい彼氏をバーに連れて行き、紹介する程の天然ぶりだったという。

その関係が変わったのは、咲良のおばあちゃんが亡くなってから。

会社にも来なくなった咲良は、そのまま何も言わずに大阪へと消えた。

何かあったのだと、洋子さんは思ってるようだけど……。

それから一切連絡を取り合ってはないようだ。


俺の場合は、おばあちゃんが亡くなってから、咲良は会社に来なくなり、

俺の存在も無視し続けた。

時々会社に顔を出す時は、普通に接してくれて、まだショックから、立ち直れてないんだろうと、

そう思っていたから。

時々ふと寂しそうな表情をする咲良を、放っておけないと思ったから、

ずっと傍に居続けている。

ただの友人。

本当にそうだろうか?

胸騒ぎは止まらないけど、このままうやむやにはして欲しくないんだ……。

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