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とある日常

第1章 勘違い S×O

Oside




今になって後悔し始める



なんであんなことを言ったのか自分でもわからない






勝手に押しかけたのは俺の方

だけど

断らない翔ちゃんが悪い




確かに俺はそう言った



酒のせいなんかじゃない




考えれば考えるほど涙が出てくる




携帯も財布も翔ちゃん家に置いてきた俺は徒歩で家に向かった




走る気力もなく大雨の中ひとり傘もささず歩いた





周りは俺が大野智ということに気付くはずもなく、可哀想な人を見るような目をしてすれ違っていく





行ってらっしゃいって言っていれば、俺もコンビニ行くよって言っていれば今頃楽しく2人で呑んでたんだろうな…




どんなに後悔してもしきれないけれど、涙は雨によって流される




俺の心も雨で洗い流されれば楽なのに…


そうすれば全部忘れられるのに…






止むどころかどんどん強くなっていく雨の中、遠くの方で「智くん」と呼ばれたような気がした



いつも翔ちゃんが俺のことを呼ぶような独特のイントネーションで呼ばれた気がした





ついに幻聴が聞こえるようになったかと思った時、いきなり後ろから手を掴まれ全力で走らされた





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