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Sside



俺の焦りに比例してどんどん雨がひどくなっていく




何も持たずに出ていってしまったんだ




きっと傘もささずに歩いている




いや、もう家に着いているかもしれない




他のメンバーの家に雨宿りしに行った可能性もあるが、智くんはそういうことしないと変な自信が俺にはあった







大雨のせいか道はどんどん渋滞してきた




この距離なら走って行ったほうが早いと思い運転手に降りることを告げようとした瞬間、視界の隅に彼の姿を見つけた




もう奇跡だと思った




少し距離があったが間違いない、智くんだ



翔「すみません今すぐ降ります！お釣りは結構です！ありがとうございました！」




運転手の言葉をすべて遮り急いで車を出た




かなり余分に渡したから倍以上支払ってしまったかもしれない




でもそんなこと考えている暇なんてないんだ





一刻も早く智くんを捕まえなきゃ…！




久々の全速力で走った




翔「智くん！」




かなり大きい声で呼んだが俺の声は大雨によってかき消される





近くにいた人達は俺の声に気づき「え?」「まさか…」などざわめきあっているが今それに付き合っている時間はない