地味に甘い君
第21章 それぞれの就活
なるべく人目を避けながら倉庫に向かうと、すでに来ていたヤマト君が窓際で本を読んでいた。
――――ヤバい…天使…
ま…僕以外の人から見たら普通の猫背の男子なんだけどね。
「ヤマト君、お待たせ」
「ん――――。待ってねぇ~よ」
ヤマト君は素っ気なく本を閉じると机を片付ける。
「お腹空いてた?僕はペコペコだよ」
僕が鞄を机に置いて笑うとヤマト君は顔を真っ赤にして目をそらした。
「なんで赤くなるんだよ~。///嬉しいけど」
「そのキラキラ笑顔…隠せないのかよ…」
――――は?キラキラ笑顔?なんじゃそりゃ?
「僕――――…何もしてませんけど?」
自覚のない僕を呆れた顔で見るヤマト君に僕はなんだかホッとする。