地味に甘い君
第26章 うるさい季節
「これから、皆でカラオケ行くけど?尚宏も行こうぜ!」
不意に話しかけられて、ハッと顔を上げると何か期待をしている女の子達の視線が刺さる。
「ごめん、誠――――今日はこれから1つ講義に出る予定なんだ」
「は?単位は取れてんだろ?お前そんなに真面目だったか?」
「いや――――…内定の条件が“残りの講義全て受けて1つでも知識を頭に入れること”…なんだよ…社長の陣ヶ岡さんが厳しいんだよ」
そう言うと、女の子たちはガッカリした顔をし、誠は驚いた顔をしていた。
「マジで?――――俺には無理だ~!厳しいのとかマジで勘弁!」
求人を出していない企業に飛び込みで入社を希望したんだ、頑張るに決まっている。