地味に甘い君
第26章 うるさい季節
「あ~…ごめんね?恋人に勘違いされたくないから…連絡とか教えないようにしてたんだ」
僕なりにやんわりと断ると、女の子はあからさまにガッカリした顔を見せる。
「彼女さん…いらっしゃるんですね…まぁ…そうですよね、赤羽先輩カッコいいですから」
――――いや、彼女じゃないんだけど…ややこしくなるから訂正はしないけど。
テンション駄々下がりの女の子は「わかりました…」と、強引に納得して僕の前から去っていった。
と、講堂から出てきたヤマト君を見かけて僕は駆け寄った。
「ヤ~マト君!次の時間までお茶しようよ?」
「――――げ、赤羽…」