地味に甘い君
第26章 うるさい季節
僕の顔をみるなりヤマト君はバツが悪そうに眉を歪ませる。
「失礼なリアクションだなぁ…今日の晩御飯は野菜オンリーにするぞ!」
「――――げ…最悪」
野菜が苦手なヤマト君はこれまた面白いように眉間にシワを寄せた。
「っ~か、俺と一緒でいいのかよ…最近モテモテなんだろ?…こっちまで噂――――…聞こえてるんたけど」
――――お?僕の噂を聞いてるなんて…なんだかテレる。
「ヤキモチですか?ヤマト君のなら大歓迎!」
「バカか…うるさいって言ってるんだよ」
ヤマト君は、小銭をポケットから出すと缶コーヒーを2本自販機で買い、その1本を僕に投げてよこした。