
地味に甘い君
第26章 うるさい季節
抗議が終わると…
僕の教室を何人かの女の子が覗いている…
桜マジックの新入生が僕の容姿に惹かれて目を輝かせる。
うっかりそっちを見てしまった僕の視線に、女の子たちは「キャー、こっち見たよ!」と、僕実況を始める…
桜の時期から…これが当たり前に続き…
五月病と共にそのマジックは消えていく。
浮かれていた自分にやっと向き合うのだ…
しかし、女の子は束になって僕を見ては喜ぶが…
「僕ってそんなに…顔…目立つ?」
「は?…マジで言ってる?――――お前の顔は、目立つ!ハデ!ムカつくくらい綺麗!そして…その身長とスタイル!
女は本能でお前の遺伝子を欲しているんだよ!」
抗議が一緒になった知り合いが僕の呟きに苛立ちの顔を見せながら答えた。
「お前の両親も…そんなに綺麗なわけ?世の中不公平だよな!」
「そうか?僕は――――…平凡顔が良かったよ?」
「はあ?!喧嘩うってんのか!?贅沢言うな」
