
地味に甘い君
第26章 うるさい季節
さてと、こんな所で油を売ってはいけない!早く帰って晩御飯つくろ~っと!
と、教室を出るとワーワーやっていた女の子たちに捕まった。
「///あっ、あの~!尚宏さんですか?ファンです!」
――――ファン?僕をアイドルとか何かと間違えてるのかな?
「///尚宏さんって…彼女さんと…別れたんですよね?…なら、私と――――」
「ん?僕…恋人と別れてないよ?絶賛!ラブラブ中!」
僕がニッコリ微笑むと、ポーッと見つめるその子が「えっ?!」と、驚いた顔をする。
「///えっ!でも――――…別れたから…って、皆で飲みに行くって……聞いたんですけど」
――――アイツの撒き餌話が結構…広まっているなぁ
「噂を信じちゃだめだよ?」
「///はっ…はい!じゃぁ……いつ別れますか!?」
――――…おお!なんて失礼な子だろう…!?
「別れないよ?」
「待ってます――――!私、尚宏さんの事…本気なんで!」
――――うわ…胸くそ悪いなぁ…この子…
自分の気持ちを押し付けて来て…“私、尽くす女”“健気な女”アピールしてくるとか…
マジで…困ったちゃんだなぁ…
「ごめんね?待たなくていいよ――――…
僕も恋人に本気なんで……ね?」
