テキストサイズ

地味に甘い君

第30章 繋いだその手を…


「マジで?」


「真面目に――――付き合ってるし」



再び沈黙…



「嘘でしょ?――――あの、尚宏が…?」



「どの、尚宏がだよ…僕だって真剣に交際するよ?」



「”真剣に…交際“?は?本気で言ってるの?――――薄情者で有名な尚宏が?真剣交際って…」



姉ちゃんは僕の恋愛薄や人情薄の性格を知っている…唯一の人物…



僕は生まれた頃から周りにチヤホヤされたりイタズラされたり…拐われたりと人間不振になっていた。


ニコニコはしていても誰も信じなかったし自分からは相手を知ろうとしなかったし、どうでもよかった。



そして、僕の外見だけでチヤホヤする人間はもっとも嫌いだった。


それに輪をかけて嫌いだったのは…


「〇〇してあげたんだから尚宏君私の事…好きになって!」


「こんなに尽くしたんだから…恋人になってくれるよね?」


「あれもしてあげた!これもしてあげた、だから――――…ね?エッチしよ?」


と、見返りを要求してくるやからだった…


僕は頼んでいない!

僕はそんなの望んでない!





ストーリーメニュー

TOPTOPへ