地味に甘い君
第30章 繋いだその手を…
――――にしても、ヤマト君…連絡が無いなぁ…
「超~楽しみ~!明日、何着ようかなぁ~!」
僕の心配をよそに姉ちゃんは冷蔵庫からビールを、取りだし飲み干すと「つまみ…作って~」と、甘え始めた…
「姉ちゃん…普段もそうなの?旦那様…呆れてない?」
「あら!失礼しちゃうわ!ダーリンはこんな事で怒らないわよ!――――相変わらず細かいと言うか…ヤマト君に嫌われちゃうぞ!」
僕は渋々キッチンに立つ。
無気力、なげやり、人間不振に王様キャラが板についた高校1年の春…
ついに僕は姉と下の妹に人間的教育指導を、された…
大学入学で家を出ていく予定の姉と親の都合で日本を出る妹が、今後の僕を思って考えた事だったが…
かなりのスパルタだった!
料理、洗濯、掃除――――…
完璧にこなすまで何度もやらされた…
今までニコッと笑うと、やってくれていた母も父も二人から手を出すな!と、叱られ…僕は――――期限までに一通り完璧に出来るまでになっていた。
恐るべき…女の支配力…