地味に甘い君
第30章 繋いだその手を…
いきなり帰国して、ホテルを取るのが面倒だから一晩泊めてくれと電話があったのは、ヤマト君と別れてすぐ。
慌てて姉ちゃんを空港まで迎えに行くと、アンミカをマイルドにしたような人間が僕に向かって手を振る。
この人は…何かと目立つ…派手ではないのだが…多分オーラが濃いのだろう…
僕も人のことは言えないが…
空港で僕たち二人を見る目が――――…あからさまに「うっとり」と、聞こえそうなほどだ…
それから…今の時間まで振り回され…
ヤマト君のバイトが終わる時間帯になってしまった!