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地味に甘い君

第31章 孤独の落とし穴


俺より先に来ていた…父さんは――――…


二度と目を覚まさない母に…


「どうして…今…」


と、だけ……


霊安室の天井を見つめ――――…呟いた。




その日から――――



あの…悪夢なのかどうなのか判断つかない夢が始まった。





そのあと…通夜に…葬儀と…忙しく泣く暇なんてなかった。



これでもいいか?と不安になるくらい…


俺の無の日々が続いた。


気がつけば――――…母のいない日常を淡々とこなしていた。









俺も父さんも――――…母の事には触れなくなり…



自然と会話すらしなくなった。


もともと、地味な俺と明るく何でもこなす父さんとは相性が悪かったのかも知れない…


父さんは仕事にかこつけて――――…家に帰らなくなった。


別に自分の父親だ…好き嫌いなんてなかったが……


暗い家に1人取り残された、やり場のない気持ちは徐々に俺の心を孤独にしていった。



まるで…予知夢だったよかのような…


孤独に…俺は日々流されていた。



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