地味に甘い君
第34章 磨り減る絆…
「お盆だし――――…少し場所が違うのかもね?」
うろうろする俺を心配したのか赤羽が声をかける。
と――――…
住職が大きめな線香を供えに訪れた。
「あっ――――あの…ご無沙汰しております。内田ですが…預けているお骨はどこでしょう?
さっきから探しているのですが…見当たらなくて」
俺は線香をお供えし出ていこうとする住職を呼び止め、母の場所を聞いた。
お寺の雰囲気から、時が止まったような感覚でいたが…
住職は見事に年を重ねていた…
「――――内田…内田…あぁ…あれ?遠い親族の方?」
――――遠い…親族?
俺はその言葉に…少し胸が痛くなる。
当日…この住職に母を拝んでもらったが――――…
この人も…あれから何人も…拝んでいるんだ…中2の俺なんか…もう記憶にないのだろう。