地味に甘い君
第34章 磨り減る絆…
住職は少し考えて――――…
「――――あのお骨は…お寺を移られたんじゃなかったかな?
え~っと…〇〇郡の…――――…」
「…〇〇寺…ですか?」
「そう!〇〇寺――――…そちらへご家族の意向で…」
――――は?〇〇寺は…母さんの実家の…
「ヤマト君?――――場所…移ったの?」
「ありがとうございました…そちらの方に行ってみます」
俺は住職に頭を下げると――――早足で寺を出た!
「ヤマト君――――待って!どういうこと?」
「俺にも――――分からない!家族の…意向でって…俺は知らないぞ?」
俺は早足で車に戻ると――――助手席に座りナビを操作した。
「赤羽――――悪い…〇〇寺に向かってくれ…」
「う、うん――――…シートベルト…ヤマト君…落ち着いて…ね?」
”ね?“の言葉に……少し落ち着こうと座席に深く座る…
赤羽に言われ――――…シートベルトをゆっくり手繰り寄せる…