地味に甘い君
第34章 磨り減る絆…
「…そ、そうだな――――…赤羽…そうしてくれ…」
行き先を母の実家に変えた俺たちは…目の前の交差点をナビとは違う方向に走らせた。
母の実家には…夕方…日の落ちる頃に着いた――――…
叔父さんの車が庭先にあり…
なんだかホッとした。
昔ながらのインターフォンを押すと…騒音とも取れるチャイムが家中に響く。
外の俺たちにも聞こえるほどの無駄な音量に、ご近所問題なんかない、のどかな地域だと分かる。
「は――――い!」
俺たちの存在を確認もせずに玄関が勢いよく開いた!
「――――あっ、ご無沙汰…しています…。叔母さん…」
玄関を開けたのは――――…叔父のお嫁さん。
一瞬「?」と、顔になり…パッと“誰か”分かると――――…不思議そうな顔をした。
「ヤマト…君?――――え?ヤマト君?どうして?」
「すみません。母のお骨が…こちらのお寺に移ったと聞いたので…」
「――――え?…あっ――――…えぇ」
叔母さんは玄関先で少し困りながらも…不思議そうな顔で俺の言葉が理解できないのか…何度も首をかしげる…
「どうした?――――ヤマト?」
すると、普段の来客と対応が違う自分の妻が心配になったのか…叔父さんが玄関まで出てきた。
「ご無沙汰してます…あの――――…」
「お父さん…ヤマト君…巴(トモエ)さんのお骨を探して…こっちに来たって…」
「は?――――巴のお骨って……――――ヤマト…お前…何をいってるんだ?…まさか……知らないのか?」
――――え?“知らないのか?”