地味に甘い君
第34章 磨り減る絆…
俺たちは居間に通してもらい――――…
先祖代々受け継がれるという…仏壇の前に案内された。
「――――2年前…健(タケル)君の代理人と言う弁護士が…
巴のお骨と…“姻族関係終了届”ってヤツの写しを持ってやって来たんだ」
「――――へ?…“姻族…関係終了届”?」
「俗に言う…“死別離婚”ってヤツだ…」
――――え?…どういう…こと?
「――――いきなり来て、私たちとの関係を…巴ごと…切った…って弁護士が言ってきたの。
その際…納骨していない巴のお骨を返す――――って…こちらで…処分してほしいって」
「え――――…2年前…?」
「本当に――――ヤマトは…何も知らないのか?
家族で話し合った結果だと…弁護士は言ってたから…てっきりヤマトも受け入れたんだとばかり。
新しい母親と上手くいってるから…巴のことは…重荷だったのかと…
寝耳に水な“姻族関係終了届”を…受け取った…もともと、離婚する予定だったとも…聞かされたよ」