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地味に甘い君

第35章 君が奪われていく…


叔母さんはオロオロしながら僕の横で「大丈夫かしら!?」と、焦り始めた。


「だっ、大丈夫ですから!ちゃんとした大手の車メーカーです!

ヤマト君、お金が無いなか頑張ってバイトして沢山の資格をこの四年間で取得したんです!

生活だって大変なのに――――本当にヤマト君は凄い頑張りやさんなんです!」




僕は、狼狽える叔母さんに「大丈夫!」と伝え切った野菜を鍋のなかに入れていく。



「――――そ、そうなの?…え?お金…無かったの?

巴さんの保険金や、相手側の慰謝料も相当の額だって聞いたけど――――私の聞き間違え?え?でも――――…健さんが「巴が沢山残してくれたから、ヤマトには金で苦労はさせない」って、主人に言ったそうよ?」



――――は?“苦労させない”?



「そ、そんなの――――…嘘です!ヤマト君はバイトをいくつも掛け持ちして…資格の費用だって…厳しい生活の中やっとやりくりして捻出していました!余裕なんて無かったです!」



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