地味に甘い君
第35章 君が奪われていく…
僕は慌てて口を押さえた!
――――ヤバい…こんな話…今のヤマト君に聞かせられない!
「…再婚や…引っ越しでお金が出ていったかもしれないし――――憶測でモノを言うのは反則よね…
でも――――…ヤマト君が新しい家族に強いたげられていたのなら…不憫でならないわ…」
僕は何も言えなかった…
“義理母と義理妹が俺を嫌っているのは知っている”
そうヤマト君は言っていた…
まさか――――…嫌ってるだけで、援助しないとか…酷すぎる…
「まさか――――…再婚相手のお嬢さんは…私立の名門女子高生に通ってるから――――……そっちにお金を使っているのかしら?ねえ?ヤマト君はちゃんと生活費とかもらっていたのよね?」
再び心配そうに僕を見る叔母さんに――――…
僕は黙ってしまった。
仕送りはされていないし…生活費はヤマト君がバイトでなんとかしていた!
「…名門…私立――――…女子高生?」
ハッと振り向くと!
そこには死んだ魚のような目をしたヤマト君が立っていた!