地味に甘い君
第35章 君が奪われていく…
ヤマト君が――――…消えそう…
そう思った…
広くなにもないその場所で僕は…ヤマト君の孤独のどん底を見せられた。
そして――――…ただ…ただ…
ヤマト君のお父さんに腹が立ってしょうがなかった…
「ヤマト君……今日はもう遅い――――…
いったん…ホテルを探そう…で、落ち着こう…」
僕はすぐに近くのホテルを取った。
駅前のビジネスホテルだったが――――…比較的広い部屋が取れた。
「さぁ――――…今日は色々とありすぎて疲れたよね?ゆっくり休もう?」
繋いだままのヤマト君の手を引き…車に乗せる。
どんどん冷たくなるヤマト君の手が――――…僕は怖かった。