地味に甘い君
第37章 最終章・卒業
俺は卒業式の前の日ぐらい…自分のアパートでゆっくりすれば良かったと…後悔した。
そして――――…
夏の墓参りから、父さんとは連絡を一切とっていない。
赤羽は父さんを殴ったみたいだったが…
特にそれに関して連絡が来ることもなかったし、勝手に全てを済ませてしまった事にたいしての謝罪もなかった。
完全に見限られたのだろう。
しかし、少しも孤独だと思わなかったし…父さんを恨んだり憎んだり…と、言う感情すら湧いてこなかった。
きっと、その夜――――…俺は満たされていたからだと…思う。
赤羽に抱かれ、愛を囁かれ…
“赤羽がいるから大丈夫”
だと、心底…思ったから。