地味に甘い君
第37章 最終章・卒業
俺と赤羽は就活で大活躍したスーツに身を包み…
二人一緒に大学へ向かった。
そう――――…今日は卒業式
大学…最後の日
見慣れた大学の門前で…立ち止まり深呼吸をする。
「昔さ…母さんが“大学に行ったら人生変わるわよ”って言っていたから…期待してたんだ
でもさ、蓋を開けてみれば…地味な俺は…まったくそう言うことがないままで、結局――――…変わらぬ孤独と生活苦に…半ば諦めてたんだ」
門を見上げ…俺は隣に立つ赤羽を見る。
「でも――――…赤羽と出会って…俺の人生は変わった。
母さんは…予知――――…してたのかな?」
門を見ていた赤羽は俺の視線に気がつき…こっちを見て笑った。
「ヤマト君のお母さん、予知能力者だったの?――――だとしたら、こうなることが分かってたのかもね!」
そう言うと、サッと俺の頬にキスをした!
「///ちょっ…おい!」
赤羽は焦る俺をいたずらっ子のような笑顔で見て更に笑った。