地味に甘い君
第37章 最終章・卒業
式は予定通り執り行われ…
俺は大学の全過程を終了したと、証明書を受け取った。
閉式の言葉がのべられた瞬間に、卒業生と少なからず見に来ていた保護者から大きな拍手が沸き起こった。
――――終わった…
素晴らしい式だった。
俺はその大きな拍手の中でそう思った。
会場を見渡すと皆が笑顔と涙で別れを惜しみ、各々友達と席を離れ始める。
俺も皆の流れに合わせ会場を後にする。
と――――…うちポケットに入れていたスマホが鳴る。
「――――ん?…?」
画面を見ると“曽根”の文字。
「え?!純弥…さん?」
俺は慌てて電話に出た…
「も…もしもし?」
『あっ、内田君!?卒業式お疲れ様!いい式だったねぇ~!』
――――は?“いい式”?
「え、純弥さん――――…見に来てたんですか!?」
『あぁ!もちろん!可愛い尚宏の晴れ姿だ、見ておかないと!』
――――そう言う…キャラだったけ?
「はあ…そうですか…」
『この後、会えるかな?尚宏に頼まれていた件がいくつかあったから――――…報告!』
――――赤羽に…頼まれていた…件?
「俺は…この後特に用事がないので…いいですが――――…赤羽は友達と打ち上げでもするのでは?」