
地味に甘い君
第37章 最終章・卒業
『じゃぁ、車――――…門の前につけとくから、早くおいで』
「は…はい――――…」
電話を切ると…俺は会場の入り口から目線を外し反対側の門の方を見た。
卒業の余韻に浸りたかったが…
こうもバタバタと予定が入ると余韻も何もあったもんではない!
俺は急いで門に向かった。
「お、お待たせしました――――…」
「やあ、卒業おめでとう内田くん!さあ、乗って――――…ランチでも食べながら話そう」
高級感溢れる車の前に俺は緊張したが、後部座席にはすでに赤羽が座っていて、「おいでおいで」と、手招きをしていた。
「赤羽――――…そう言う段取りならそうと言ってもらってもいいか?緊張するだろ?」
「ごめん、ごめん――――…僕も純弥さんが今日来るとはおもってなかったから!サプラ~イズ!」
