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地味に甘い君

第37章 最終章・卒業


いつになく真面目な顔に…冗談ではないことが分かる――――…


でも…


「ど…どうして――――俺が…お前の籍に?」


「ヤマト君の父親から――――…君を物理的に引き離したい!

ヤマト君は…家族を選べるんだと!あのバカな父親に突きつけてやりたい!」



赤羽の手がギュッと強く俺の手を握る!




「選べる……家族を?俺が?」



――――考えても見なかった…いや、諦めていたんだ…



俺を生んだ母さんは死に…その日から…俺は孤独と戦わなくては行けなかった…

愛を求めても――――…手に入らないと思った。


ましてや…家族なんて母が亡くなった日に一緒に無くなったのだとさえ考えた。




「――――俺…」



「僕が…ヤマト君と家族になりたいんだ…ずっと一緒にいたい――――だから…」



スッと握られた手の中に――――…何かを握らされる…



「――――…え?…ぇ…」



そっと…その手の中の物を見て…俺は――――小さく「ウソ…」と、呟いた…



「――――婚約指輪です。受け取ってほしい」



お洒落な指輪が俺の手のひらで揺れた。





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