地味に甘い君
第1章 ワンルームに花?!
「いってらっしゃい」
「――――おぅ」
俺は一足先に部屋を出た…
なんだかなぁ…この“いってらっしゃい”…彼女にしてほしかった…
――――いないけどさ…
俺は少しため息をつきながらアパートからバイト先に向かった
――――――――…
スーパーの裏方仕事を終えると俺は安売りの弁当を1つ買って大学に向かった
大学の学食でも安いランチは食べられるが…
バイト先の“スーパー・オールスター”はご近所でも有名な激安スーパー!
ノリ弁当は大盛なのに、驚きの198円!
昼には売り切れる目玉商品!赤字覚悟!!と、歌っているが…
大量に出るのだ、赤字な訳がない――――…
「やっぱり…裏方は肉体仕事だ…疲れた」
俺は学食の隅で弁当を広げ午後の講義の前に腹ごしらえとばかりにがっつき始める
と、何やら学食が騒がしくなってきた
ランチタイムだ――――…無理もない
と、雑音に耳が慣れ始めた頃――――…団体が入ってきたかの様な盛り上がりが学食の入り口から聞こえる
弁当から目を放し――――…そちらを見ると…
赤羽がワラワラと人を引き連れ学食に現れたところだった
「うわ……こりゃまた団体で…」